Q.積立なら保険でも出来て配当金も出るようなのですが定期預金の積立とどっちが得なのでしょうか?

A確かに保険でも貯蓄型と言って預金の様に保険料からお金を積み立てていくプランを盛り込んだものも存在し、個人年金と言う老後対策のプランも生命保険会社は持っています。

ただこれはあくまでも『年金補助』的観点で用意されたものであり、国民年金では心もとない等の理由で加入される方が殆どですし、配当金は銀行での利率と同じように保険会社が設定している利率に基づいて付いてくるもので、これは保険会社の資産運用の成果により異なります。

経済状況によっては配当金を謳っていても実際には発生しない場合もあります。

現在の保険会社では殆どの場合で営業に回る社員にFP(ファイナンシャルプランナー)の資格取得を義務付けており、お金のプロとしてお客様とお話していますと言うスタンスを取る事も少なくありません。

FPが保険会社と提携しお金のプロとして保険を薦めるケースも当然あります。

こう言うとまるで保険会社がお客様を丸め込んでいるかのようにも見えますが、FPや保険会社の営業はあくまでお客様の人生を通した長いスパンでのお金の扱いを前提にお話をする為、老後の事、そのお客様の家庭の例えばお子様の将来をも視野に入れたお金の有効利用までを考え、長い目で見れば銀行よりはお得ですと言うお話をする事になるのです。

そう言った面で保険会社は個人年金だけを勧めると言うよりは、万が一の病気や事故に備えての保険や学資保険と一緒に積立をしませんか、と言う提案が多くなってきます。

この様な保険は大抵10年程で更新時期を迎え、病気や事故に備えての長期的な契約を念頭に入れたものになると終身保険である事も多いですので当然更新を薦められます。

配当金について言えば、個人年金の支払開始日に増額年金としての一時払い保険料に充当される事もあり、支払開始日自体が年金と言うだけあり60歳からだったりします。

なので、10年の更新時に契約を切った場合の配当金は余り期待出来ず、個人年金単体ではない場合、支払う保険料全額が積み立てられていくわけではありませんので

短期的に目的を持った預金をしたい方は逆に損をする結果にもなりかねません。

勿論保険での貯蓄が自分のプランに合わなかったと言う事であれば更新時に貯蓄を外しプラン変更する事は可能です。

逆に銀行での定期預金は保険会社が勧めるような年金的な物ではなく、ある程度の期間を決めてその定期預金に合わせた利率で預金自体を膨らませる事に焦点が合わせられています。

なので短期間から出来る定期預金もある訳です。

貯蓄型の保険と銀行での定期預金でもう一つ大きく違う点は、貯蓄型保険は契約期間中で積立金の引き出しが可能な場合がある事です。

但し、これは消費者金融からお金を借りるのと同じで返却が必要であり逆に利子が発生します。

保険そのものを解約するとなると契約内容によっては万が一の時の為の保証まで一緒に解約する事になってしまうのですから契約時にかなり慎重に検討する必要があります。

定期預金については途中で引き落としを行う場合は契約自体を解約する事になります。

種類によっては中途解約利率が適用され、契約当初の利率は付かない事もありますが、一定の期間を過ぎればペナルティなしでの解約が可能な商品も存在しています。

少なくとも自分の積み立てたお金を引き出すのに利子付の返却を求められる事はありませんが、この定期預金を担保に銀行から融資を受ける場合は別です。

どちらが得かは一概には言えませんが、貯蓄型保険にせよ定期預金にせよ、一体自分が何の為にお金を貯めておくのかと言う理由や目的をハッキリさせておく必要があります。

ある程度の金額がある時にそれを使わず高めの利率で預金しておく事でその金額を膨らませたいと言う方や、貯蓄定期にして決まった期間内に決まった金額を貯めたいと言った方には定期預金が向いていると言えるでしょうし、先述したように老後の事を考えると今の年金制度だけでは不安だし病気やケガをした時の保証も欲しいと言う方には保険が向いていると言えるでしょう。

但し、保険については万が一加入している保険会社が倒産した場合、預金保険のような補償は無いケースが殆ど(保険保険なんておかしいですよね)ですので、

別の会社が引き継いでくれない場合は積み立てていたものが全て無しになってしまう事がある事を1つのリスクとして押さえておきましょう。