Q.そもそも同じ期間同じ額を預金していても普通の預金と定期預金で金利が変わるのは何故ですか?

A一言で言ってしまえば銀行がお客様の預金を運用しているからです。
と言ってもピンと来ない方もいるかも知れません。

例えば銀行融資を例にとってみましょう。

銀行からお金を借りる場合何かを担保にする等して高額のお金を借りる事が多いはずです。
個人でも出来ますが、企業が行う事も少なくありません。

ここで貸し出されるお金は銀行が特別に持っている貸出用のお金ではなく、預金されているお金なのです。
貸し出した以上、無利子で返してもらう訳ではありません。しっかりと利子分まで返してもらえれば銀行は預かっていたお金を失うことなく利益を上げる事が出来ます。

この利益が利率によりますが預金者にいくらか還元されるのです。
簡単に言うと利息は預けて貰ったお金を使ったお礼の様なものです。

では、同じ額を預けているのに普通預金と定期預金で利率がなぜ違うのかと言うと、普通預金が何時でも引き出し可能なのに対し、定期預金は一定期間引き出さない事を前提にした預金だからです。

銀行も預けて貰ったお金を貸し出すのにいつ降ろされてしまうか分からない普通預金より、いきなり引き出される可能性の少ない定期預金の方が安心して運用出来る訳です。

なので、定期預金も種類によっては途中で解約する事で普通預金と変わらないくらいの金利が適用される事になる場合もあれば、どの時点で解約しても金利が下がる場合もあるのです。

「すぐ下ろすかもしれない」と言う預金が普通預金、「しばらく降ろしませんよ」と銀行と約束する預金が定期預金だと考えると、どちらが銀行のお金儲けの元金として使用しやすいかが良く分かると思います。

そして、やはり使い方に多めのお礼をと言う考え方をすると定期預金の方が金利が高い事にも頷けると思います。

銀行が預けているお金を勝手に使っていると考えると不安になる方もいらっしゃるかも知れませんが、貸し倒れが多発し銀行の破綻、合併が相次いだ一時期と違い、
現在は銀行からお金を借りるにも審査が厳しくなっており、個人であればそれ相応の資産でなければ担保対象にならず、
貸付金を回収できなければ担保が差し押さえられ貸付金に使用した預金分に充当されます。

少額融資でも担保を定期預金額の90%までとするのが通常で、貸し倒れが起こらない様配慮されています。
起業が銀行貸し付けを受けるのは以前に比べ更に厳しくなっています。

銀行の預金運用は融資ばかりではありません、銀行自体がお金を儲けるための色々な場所で預金はその元手として使用され、その運用に成功している銀行は当然利率も高めになって来るのです。

ネットバンクの金利が高い最近ですが、よくよく見てみると金利の高いネットバンクは商売上手な企業が運営元になっているケースが多いのに目が留まるはずです。

ネットバンクの金利が高い根本的な理由はまた別にありますが、銀行が預金の運用に成功しているかいないかは利率に反映するのでチェックしておくと銀行選びの基準の一つにも出来ます。